2024.08.30 静電気
目次
ケンエーの除電ひもは、静電気の悩みを解決してくれる便利なアイテムの1つです。特に、工場や作業場で静電気によって製品が傷ついてしまうのを防ぎたいときに役立ちます。
このひもの中には、特別な導電性の繊維が埋め込まれています。この繊維が静電気を持つ物体に触れると、まるで小さな雷が落ちるように、静電気を素早く逃がします。これをコロナ放電と言います。
グラビア印刷でよく起こる「ピンホール」と呼ばれる小さな穴。この穴は、静電気によって紙の粉やインクなどがセルに詰まってしまうことが原因の一つです。除電ひもを使うことで、静電気を抑え、ピンホールの発生を減少し、印刷物の品質を向上させることができます。
樹脂フィルムやプラスチック製品を扱う際に、静電気によってホコリがくっついたり、製品同士がくっついてしまったりすることがあります。除電ひもは、こうした静電気によるトラブルを防ぎ、作業効率をアップさせます。
静電気は、場合によっては火花を発生させ、火災の原因になることもあります。除電ひもは、静電気を除去することで、安全な作業環境へと改善するのに役立ちます。
除電ひもは、静電気によって起こる様々なトラブルを解決するための便利なアイテムです。印刷業だけでなく、電子部品の製造や食品加工など、静電気対策が必要な様々な場面で活用されています。
具体的には、こんな場面で役立ちます
もし、あなたの仕事で静電気によるトラブルに悩んでいるなら、一度除電ひもを試してみてはいかがでしょうか?
除電ひもの仕組み:コロナ放電による除電
除電ひもは、ある現象を使って静電気を除去しています。
その現象の名前は「コロナ放電」と言います。
コロナ放電は、簡単に言うと、空気中で静電気がバチッと放電するような現象を、とても小さな範囲で起こしている状態です。
例えば、冬にセーターを脱ぐときバチッとなる静電気は、大きな放電と言えます。
でも、コロナ放電はもっと小さな、目に見えないほどの微弱な放電なので、安全とされています。
皆さんは、髪の毛をプラスチックのクシで梳かすと、髪の毛がクシにペタペタとくっつく経験をしたことがありますか?これは静電気のせいです。
コロナ放電とは、この静電気を安全に消し去るために使用される現象のことです。
1.尖ったものに電気が集まる:
例えば、針やワイヤーのように尖ったものに、静電気を帯びた物体を近づけると、その尖った部分に電気が集まりやすくなります。
2.電位差が生じる: 静電気を帯びた物体に除電ひもを近づけると、ひもの先端の毛と物体との間に電圧の差(電位差)が生じます。
3..空気がイオン化する:
集まった電気が強くなると、周りの空気が変化して、プラスの電気を持つイオンとマイナスの電気を持つイオンに分かれます。これを「イオン化」と言います。
4.静電気が中和される:
このイオンたちが、静電気を帯びた物体と反対の電気を持つイオンを引き寄せます。例えば、静電気を帯びた物体がプラスの電気を帯びていると、マイナスのイオンが引き寄せられて、静電気を打ち消し合います。
除電ひもには、特別な導電性の繊維が使われています。この繊維が静電気を持つ物体に近づくと、その物体の表面に沿って小さな微弱な放電が起こります。
この小さな放電が、静電気を中和して、物体を電気的に安定した状態にするのです。
コロナ放電は、物体が持っている静電気のエネルギーを使って起こる現象です。そのため、特別な電源を用意する必要がなく、経済的で安全なんです。
図で見てみよう!
この図のように、除電ひもの導電性繊維から小さな放電が起こり、静電気を中和しています。
以上のように、除電ひもはコロナ放電という特別な現象を起こして、静電気を除電する仕組みが隠されています。
除電ひもは、一見すると普通のひものようですが、実はとても細かい構造をしています。
そして、このひもの表面をよく見ると、小さな毛がたくさん生えているのがわかります。
この毛こそが、除電ひもが静電気を消すための重要な役割を果たしている部分です。
構造(断面図)
この小さな毛は、まるでサボテンのトゲのように、ひもの表面から外など様々な方向に向かって伸びています。
この毛が、先ほど説明した「針」や「ワイヤー」のような役割を果たし、発生するコロナ放電により静電気を除去できるのです。
除電ひもは、静電気を除去する便利なアイテムですが、どのように取り付ければいいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここでは、除電ひもの取り付け方について、詳しく解説します。
除電ひもの取り付けは、意外と簡単です。上記のポイントを参考に、最適な場所に設置することで、静電気によるトラブルを防止し、快適な作業環境を実現することができます。
除電ひもを安全かつ効果的に使うために、以下の点にご注意ください。
① 優しく扱いましょう
除電ひもはデリケートな製品です。強く引っ張ると切れてしまう可能性があるので、優しく扱ってくださいね。
② アース接続で効果アップ!
除電ひもは、静電気を逃がすことで効果を発揮します。より効果を高めるためには、アース(大地)に接続することをおすすめします。特に、静電気がたくさん溜まる場所では、アース接続が重要です。
③ 対象物への影響に注意!
除電ひもを対象物に直接触れさせて使う場合は、傷や汚れがつかないか、事前に確認しましょう。特に、柔らかい素材や塗装面には、繊維が引っかかって傷がつく可能性があります。
④ 動いているものに近づけないで!
動いている機械や装置に除電ひもを近づけると、感電する危険があります。絶対に触れないようにしましょう。
⑤ 汚れに注意!
除電ひもの表面が汚れると、除電効果が落ちてしまいます。定期的に新しいひもと交換して、常に清潔な状態を保ちましょう。
⑥ ご不明な点はご相談ください
除電効果について不安な場合は、お気軽にご相談ください。対象物や環境によって、最適な使い方は異なります。
上記で紹介した除電ひも以外にも、ストレッチ性に優れたタイプの取り扱っております。
用途により適正な製品をお選びください。